iPhoneが発売される以前の日本では、日本独自に進化を遂げてきたフィーチャー・フォンが主流でした。アメリカやヨーロッパとは別のベクトルで進化を遂げていた日本のフィーチャー・フォンをガラケーと言いました。このガラケーは、ガラパゴス諸島に由来したネーミングで、他の島との接点がないために、独自の進化を遂げた動植物の多いガラパゴス諸島が、独自の進化を遂げている日本のフィーチャー・フォンと似ていることから命名されました。
日本国内では、docomoとauの二大巨頭となっており、SoftBankはかなり格下の扱いでした。docomoとauは、それぞれ素晴らしいデザインや機能を持ったフィーチャー・フォンを発売し、多くの日本人が満足していました。iPhoneが発売される前のスマートフォンは、スケジュールなどを管理することができるPDAに携帯電話機能を付帯した物が多く、一部の外資系ビジネスマンが仕事で使用するものでした。一般ユーザーにとっては、スマートフォンは、不便で使いにくく、オシャレではない印象だったのです。海外でiPhoneが発売されるニュースを聞いた日本の携帯電話会社や専門家は、日本人は独自の携帯電話文化があるために、iPhoneは日本ではヒットしないという見解が一般的だったのです。